孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

元やくざの作家 安部譲二さん 原作者として自らの映画にワンシーン出演しても「芸能人」よりも色気があった 亀田ファミリーのボクシングをボロカスにけなし 言いたい放題であるが「粋な生き方」を全うした こういう作家が皆無なのが残念

安部譲二という作家がいた。2019年に亡くなったが、異色の経歴を持った人であり、私は今でも強烈に安部譲二を覚えている。安部譲二さんは、安藤昇率いる「安藤組」の暴力団員であった。「安藤組」は、現代の暴力団というよりも、「愚連隊」であった。また、安藤昇自身も育ちが良く、その他のメンバーも良家の「お坊ちゃん」という一面があった。安部譲二も名門の家柄で、麻布中学に入学したが、横道に逸れて、不良になった。麻布中学時代の同級生には、橋本龍太郎がいて、後に付き合うようになる。関西に山本集という「伝説的なやくざ」がかつて存在した。武闘派で筋金入りの「暴力団員」であった。山口組系の組であっても、臆することなく刃向かうような「筋の通ったやくざ」であった。「暴力団員」から足を洗って、奈良の智辯学園の「野球部」の監督に就任する。しかし、生徒たちに体罰を加えたことで、辞めさせられた。その後、山本集は、「絵描き」になった。笑福亭鶴瓶の番組に出演するなどしたので、関西の人であれば、記憶に残っている人もいるだろう。この山本集は、「非常に人間くさい」好人物であった。「顔が異常なほど恐ろしい」のであるが、非常に繊細で人間に対してやさしいのである。山本集は、2011年に亡くなった。その山本集が、「安部譲二のことをあんなのやくざじゃない」と本気で怒っていた。山本集からすれば、安部譲二のような「育ちの良いやんちゃ坊主がそのまま大人になったような男」が気にくわなかったのだと私は思う。安部譲二は、「塀の中の懲りない面々」という小説を書き、一躍有名になった。「塀の中の懲りない面々」は、映画化されてヒットする。安部譲二も、この映画に原作者として出演している。安部譲二は、その後もたびたび「自身が原作のやくざ映画」にワンシーンだけ出演する。それがまた、様になっているのである。本物の役者よりも、「男の色気」があって圧倒的な存在感を示した。安部譲二は、芸能人の事を好き放題に悪口を言っているのだが。亀田ファミリーの「ボクシング」に対しては、「弱い相手を選んでケンカしてりゃ、負けるわけねぇんだから」と言い切っている。亀田ファミリーのみなず、「現代のボクシング界」実態にも通じる名言だ。安部譲二さんのような、色気がある作家」が皆無になった。ただ、机上の空論で、「難解な言葉」を羅列するだけの現代の作家に「人間的魅力」などあるはずがないと私は思う。