孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

山城新伍 老人ホームで孤独死という人生最後の修羅場 父親は医者で 同和地区の部落の人に信頼された チョメチョメと言って スケベおやじを演じていたが 物凄く真面目な人 芸能界は最後はどうなるか分からない恐ろしい世界である!

山城新伍と言っても今の若い人は知らないだろう。1981年生まれの私ぐらいの年齢の人がぎりぎり知っているくらいだろうか。一時期、物凄い勢いで「バラエティー番組」に出演して超売れっ子であった。松方弘樹、梅宮辰夫も同様。松方弘樹、梅宮辰夫と共通するように、山城新伍は、東映株式会社の大スターであった。白塗りの美少年であったことなど想像できないだろうが、山城新伍東映京都撮影所の「ニューフェイス」として時代劇で主役を演じた。しかしあまり冴えずに、次第にやくざ映画に出演するようになった。代表作は仁義なき戦いのコミカルなやくざである。そのやくざ映画でもあまりぱっとせずに、バラエティー番組を主戦場に変えていく。スケベおやじで、下ネタばかり言っているイメージが強い。私は山城新伍の真の姿は、ただの「スケベおやじ」ではないと思っていた。どこか自分に厳しい所があって、孤独な匂いがするのであった。山城新伍の父親は開業医であった。その医院が京都の非差別部落や在日朝鮮人部落の近くにあった。山城新伍の父親はそうした人たちから尊敬される人格の優れた医者であった。このことは山城新伍の著者「現代河原乞食考」という本に詳細に書かれている。「河原乞食」というタイトルは刺激的で、ラディカルなものである。「芸能の世界」は元来そうした「社会の最底辺で生きる人たちがのしあがって行くため」に存在した。芸能界に在日朝鮮の方や在日韓国人の方が多いのは、そうした歴史的な事情があったのである。山城新伍もそうした父親の血を確実に受け継いでいると私は思うのだ。山城新伍はたとえスケベおやじを演じていても、基本的に「二枚目」である。そのためか、中年になっても時代劇の恰好をすれば、やはり様になった。最後に山城新伍を見たのは、「仁義の墓場」という岸谷五郎が演じたやくざ映画であった。渡哲也のヒット作の「リメイク版」であるが、やくざ社会のはみだし者の人生に迫った秀作である。山城新伍がまた良い味を出していた。やはり山城新伍は素晴らしい役者さんだと再認識した。その後、山城新伍は老人ホームで孤独死する。メディアも大々的に報じず、あまりにもさみしい最期であった。芸能界は浮き沈みが激しい世界である。あれほど山城新伍がバラエティー番組に出演していたのに、誰もその死に関心を持とうとしない。あまりにも過酷で厳しい世界である。