孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

人間のクズや小悪党を演じたら日本一の名優 江幡高志さん 「道を歩いているだけで ああいう大人になってはいけないよ」と後ろ指差され 酷い差別をされても演じ続けた 人生を賭けて俳優をやっている凄い人間

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江幡高志という俳優さんがいる。名前だけ聞いても世間の大半の人は知らないだろう。しかし古い時代劇やドラマ、映画の再放送を見れば、どこかの番組に必ず「小悪党」として出演していて、江幡高志さんの顔を見ることができる。Wikipediaによる昭和3年生まれであり、亡くなられていないようであるが、御健在であっても、95歳を超えておられる。江幡高志さんは俳優座出身である。その点でも凄いことだ。何故なら、俳優座に合格するのは非常に難しく、入所すれば、俳優としての「エリートコース」が約束されている時代があった。江幡高志さんの同期に愛川欽也さんがいる。江幡高志さんは、デビュー当時からずっと「小悪党」や「人間のクズ」を演じ続けた。特にテレビ時代劇で十手を持った目明しや岡っ引きを演じ、弱い人間をゆするような役柄を演じたら、江幡高志さんの右に出る者はいないというぐらい「強烈な印象」をお茶の間に与えた。江幡高志さんが「徹子の部屋」に出演したことがあった。もう25年以上前のことである。その時に江幡高志さんは「道を歩いていたら、ああいう大人になってはいけないよ」と子供を連れた母親に罵倒されたと述懐されていた。昔は悪役を演じる俳優が私生活でも悪い人間であると認識されていた。江幡高志さんの一家は、銀行員が多くお堅い人が多く、ご本人も真面目な方である。その江幡高志さんがそのような心無い言葉を他者から浴びせられたことは、どれほどつらかっただろうか。普通の人間であれば、俳優を辞めて、別の仕事に就くか、神経がおかしくなって、ノイローゼになるに違いない。しかし江幡高志さんは誇りを持って「小悪党」「人間のクズ」を演じ続ける。江幡高志さんが、画面に出てきただけで、われわれ視聴者は「また悪いことをする」と判断する。ある意味凄いことであると私は思う。「顔を見ただけで悪役」というぐらいに「悪役が似合わう俳優」が今の芸能界には皆無だからだ。「悪役」を演じることは難しい。演技力が問われる。そのため最近の若手にはできないのである。人生の大半を「本当の自分」より「小悪党」「人間のクズ」を演じ続けた江幡高志さんは歴史に残る名優である。