孤独死予備軍ひきこもり日記

ひきこもりが、日々の雑感を綴ります。

車いす芸人ホーキング青山さん 亡くなる 包茎手術をして失敗し 大学病院でもう一度縫ってもらう 障害者の「性」をネタにした笑いは先鋭的 「バリバラ」より真摯に「障害者差別」に向き合った人 あまりにも早すぎる死

車いす芸人のホーキング青山さんが急死した。享年50歳。乙武洋匡立川志らくホーキング青山さんの死を惜しんだが、ほとんど話題になっていない。おそらく芸能界においてマイナーな存在であったからである。しかしホーキング青山さんの芸は、時代を先だったもので、障害者差別の本質を抉り出した。ホーキング青山さんは車いすに乗って、下ネタを披露するピン芸人であった。際物芸人の引き受け先のような役割を果たす大川興業に所属していたので、その名が知れ渡ることがなかったのではないと私は思っている。たとえ面白くて才能があっても、芸人は所属する芸能プロダクションによってその将来が決まることも多い。そういった意味でホーキング青山さんは実力がある芸人なのに、マイナーな存在、一部にファンがいる「カルト的な芸人」として扱われる境遇に甘んじなけらればばらなかった。おそらく本人としては、もっと知名度が高くなって、大ブレイクしたかったという想いがあっただろう。ホーキング青山が常に意識したのが、乙武洋匡である。乙武洋匡は「五体不満足」と言う本で一躍世間から注目を浴びる。障害があるにもかかわらず、苦難を厭わず、懸命に生きる「さわやかな青年」として老若男女から愛される。乙武洋匡のその後の人生を見れば、すべて「嘘」と「虚像」に過ぎなかったことが分かるのだが。同時期にホーキング青山は、露悪的に障害者の「醜い部分」をこれでもかと言うほどに曝け出して、お笑いの舞台で自らの「芸」を確立していく。この原動力は乙武洋匡への「コンプレックス」だったと私には思えてならないのである。ホーキング青山さんは「自らの性」についても赤裸々に語った。包茎手術を某クリニックでした。しかし、時間を置いて、女の子とセックスするときに陰茎から血が噴き出てきた。心配になって大学病院の泌尿器科で診察してもらうと、包茎手術は失敗していて、もう一度縫ってもらったという。障害者のオナニーの仕方まで語るのには驚いた。最近NHKで「バリバラ」という障害者情報番組がこれまでも「障害者問題のタブー」を破った斬新なものとして認識されている。これは大間違いである。「バリバラ」のやっていることは、障害者を晒し者にしているに過ぎない。障害者のあるがままの姿を曝け出すその「ライン」を超えると、グロテスクなものになることを「バリバラ」のチーフプロデューサーは気付いていなかった。そのため、「バリバラ」は、「障害者差別」を払拭したつもりが、新たな差別を生み出している。ホーキング青山さんは、「バリバラ」よりもずっと早く「障害者差別」の問題に切り込んだ。そう意味では、ホーキング青山さんの芸はあまりにも時代を先どったもので先鋭的であった。ホーキング青山さんの死はあまりにも早すぎる。改めて追悼の意を表します。